ownCloudがDropBoxの代用となるか?(その2)
前回はownCloudのインストール手順&稼働確認までを紹介しました。まず、ownCloud1.1を使ってみて思ったこととして
- 機能が少なすぎる。
- UIが非常にpoorである。(WebUIのファイルアップロード部分等)
- ファイル共有機能が未実装(ownCloud2からは共有機能が実装されているようです。)
で、DropBoxの代用となり得るか?ですがownCloud1.1では機能が少ないことから個人利用の領域からは抜け出すことができず、利用も個人でサーバを立てている方に限定され、あまり利用するメリットは感じられません。(ログインユーザとパスワードを共有すれば話しは別ですが。。。)社内イントラにownCloudサーバを立てたとしても結局社外からはVPN接続することになり、社内ファイルサーバにアクセスすればドキュメントの共有・閲覧・編集はできる。(やはりファイルの共有機能がないと導入のメリットは感じられません。)
但し、ownCloud2ではファイル共有が新規に機能追加されたようなので、その機能が利用できるのであれば十分DropBoxの代用になり得る気がします。ということで、ownCloud1.1の評価はこれくらいにしておいてファイルの共有機能を持っているownCloud2に興味がわいてきましたので早速インストールしてみたいと思います。
owncloud2は現時点ではインストーラがないので、アーカイブをダウンロードして、セットアップします。
まずはownCloud2に必要なパッケージをapt-getを利用してインストールします。
$ sudo apt-get install apache2 php5 php-pear php-xml-parser php5-sqlite php5-json sqlite php5-mysql mp3info curl libcurl3 libcurl3-dev php5-curl zip
次にowncloud2のアーカイブをhttp://owncloud.org/にアクセスしてowncloud-2.0.1.tar.bz2をダウンロードします。(2011年12月9日時点でのバージョンです。)、アーカイブを解凍してソースの移動を行います。ついでにファイルのパーミッションも変更し、最後にApacheの再起動をします。
$ cd <ダウンロードしたディレクトリ> $ tar -xvf owncloud-2.0.1.tar.bz2 $ sudo mv owncloud /var/www/owncloud $ sudo chown -R www-data:www-data /var/www/owncloud $ sudo /etc/init.d/apache2 restart
上記までの操作が完了した段階で、http://localhost/owncloud にブラウザでアクセスします。
初回アクセス時には上記の画面が表示されるので、ユーザID/パスワードを登録してFinish setupをクリックします。
実際にファイルを1個アップロードしてみた画面です。
ownCloud1.1とは違い、UIが若干変わっており、機能も追加されていることが確認できます。特にShareの機能がやっとサポートされたようなので、実際にどんなものなのかを検証してみます。
Shareをクリックすると下記のようなポップアップライクなものが出てきてユーザかグループを選択して、共有することができそうです。Publicとしての共有も可能と見受けられます。
プルダウンを選択して、現在のユーザ一覧が出てくるので、選択しました。(ユーザは事前に左下にある丸いアイコンをクリックして登録しました。)
ユーザを選択した後は、そのユーザに編集権限を与えるかどうかのチェックボックスが表示されるので、必要に応じてチェックをつけます。
次に共有されているcmuserでログインしてみます。
Sharedというオブジェクトがありますので、それをクリックすると
先ほど別ユーザで共有設定したファイルがcmuserで見ることができるようになっています。
FireFoxで見るとチェックボックスの部分がフォルダのアイコンで表示されたりPNGであれば画像アイコンで表示されたりしますが、この辺りIEではチェックボックスのままで表示されるので、見た目はFireFoxでアクセスする方がいいですね。但し、検証したPCに入っているFireFoxのバージョンは3.6.24で、ちょっとファイルをアップロードしてみようとしたのですが、Uploadボタンをクリックしてもファイル選択画面が表示されません。JSでエラーがでているのでしょう。なので現在の段階ではFireFoxではアップロードできません。そのうち対応されるでしょうけど。。。
最後に、cmuserに対して2重ログインの抑制は入っていないので、アカウントを共有することで、会社対会社などで、やりとりする際はプロジェクトメンバーにアカウントを共有すればユーザID発行の手間も省けるので、便利かと思います。あとはSSL通信の設定を行うことで、セキュアなファイルのやり取りがクラウド上で可能となります。
これであれば十分DropBoxの代用として使えるのではないかと思います。